歯科衛生士とは?
ご存じでしたか??歯科衛生士はアメリカでベストジョブベスト10に入ったことがある職業です。(参考サイト)国によって業務、役務の範囲が異なりますが、今回は日本の視点で歯科衛生士について紹介したいと思います。まだそれほど注目を浴びていないので今がグッドチャンスですね。
歯科衛生士は、人々のお口の健康を一生涯守ることの出来る国家資格です。
国家資格ですので、業務は法律に定められていますが、今回は大きく3つに分けて、歯科衛生士の業務についてお伝えします。
歯科衛生士の業務『3つの柱』とは?
歯科予防処置
歯科予防処置とは、虫歯や歯周病になる原因である、歯の汚れ(歯垢や歯石)を除去することで歯を健康に長持ちさせる環境を整えるための処置です。
歯科衛生士が患者さんに直接口腔内に触れ、施術することができます。
〜歯科予防処置の詳しい内容〜
☆機械的歯面清掃
歯の表面に付着したプラーク(歯垢)や、プラークが石灰化して硬くなった歯石を歯科衛生士が行う機械的歯面清掃(クリーニング)できれいに落とします。
この歯石やプラークを歯の表面に残したままの状態にすると、さらに汚れが付着し、歯周病や虫歯を加速させる原因となります。
歯科衛生士は、この歯石やプラークを取り除くスキルアップ、患者さんにこのことを知ってもらうことなどで患者さんにさらに貢献することができます。
☆フッ化物塗布
フッ化物とは、フッ素のことです。歯の表面にフッ化物を塗布することで、歯の表面を強化し、虫歯菌が出す酸に溶けにくい歯になります。
こちらのフッ化物を歯の表面に塗布することも歯科衛生士の業務です。
歯科診療補助
ワンチームの歯科診療に欠かせない歯科衛生士の力。
歯科診療は、とても繊細で複雑な治療を行うので、1人の患者さんに対して歯科医師が1人だけで治療を行う事は困難なことが多いです。
患者さんの負担にならないよう、いかに手早く正確に治療を行えるかがとても大切になってきます。
歯科衛生士が診療補助に入ることで、このようなメリットがあります。
☆診療準備の際に患者さんごとに必要な器具、機材の準備が行える
歯科衛生士は患者さんの病状を治療するためにはどうすれば良いのか、治療を行う際に必要な器具や薬剤の準備についての専門知識があるので、より詳しく診療内容の把握をし、必要な器具や機材の準備をすることが可能です。
☆診療の手順に沿って次に必要な器具の受け渡しを行える
診療の流れを頭の中に入れることが出来るので、次に何の器具が必要かを瞬時に判断することが可能です。
この診療補助の醍醐味でもある診療をスムーズに行うための診療補助のスキルが上がると、診療はよりスムーズになり、診療時間の軽減、患者さんが治療を受ける際の負担の軽減につながり、満足度の高い治療を行う事が出来ます。
普段の診療でもそうですが、インプラントの手術の診療補助などは専門的な知識とスキルがさらに必要になるため、技術を習得した歯科衛生士はとても重宝されます。
☆診療中の患者さんの変化に気がつく事ができる
診療の最中の患者さんの変化にいち早く気がつく事が出来るのはとても大切です。
患者さんの表情の変化や、筋肉の動かし方、呼吸や顔色、姿勢の変化など、診療中に広範囲で確認する事ができるのは診療補助をしている歯科衛生士だからこそです。
些細な変化に気づくことで、患者さんが診療中の体調の変化にも気がつく事が出来ます。
声かけができることで、精神的な負担を軽減させることができ診療がスムーズに終えられ、安心して診療を受けてもらえることが可能です。
▲歯科保健指導
歯科保健指導とは、お口の専門家の歯科衛生士だからこそ伝える事が出来る、お口の健康から全身の健康へとつながる問題について、専門的なアドバイスや支援を行うことの総称です。
☆カウンセリングで患者さんそれぞれに合った指導を行える
虫歯や歯周病は、防ぐことのできる疾患ですが、その人それぞれの生活環境や全身状態によってその予防方法の伝え方は様々です。一方的に伝えるだけの指導ではなく、患者さんの抱える問題や背景を含めてより良い指導方法を提案する事ができると、患者さんのお口の中の状況を改善するケースはたくさんあります。
当医院では予防プログラムと言って、患者さんとしっかりと向き合いその人にあった口腔管理方法を指導しています。この前後でお口の状態が変わり私たちも患者さんも感動する瞬間です。これが私たちの総合治療の始まりです。
☆歯科保健指導で本来の生きる喜びを取り戻す
誰かと楽しくお話をするのも、美味しく食事をすることも、思いっきり素敵な笑顔で笑うことも、すべてお口や歯が健康ではないと出来ませんよね。
その年代に合わせた適切な食事の指導や、栄養指導、歯磨きの仕方の指導や生活習慣の改善に至るまで、その方それぞれに合わせた指導を行うことができるのが歯科保健指導です。
☆摂食・嚥下機能訓練は最重要課題に
最近では、オーラルフレイル、筋の老化や高齢の患者さんに対して誤嚥性肺炎を防ぐ目的で、摂食・嚥下機能の訓練も歯科保健指導の一環として重要視されています。摂食・嚥下機能訓練について知識や経験が豊富な歯科衛生士は、高齢者施設や訪問歯科の現場ではとても重宝されます。
参考:公益社団法人歯科衛生士会HPより歯科保健指導とはより
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は歯科衛生士という国家資格のお仕事『3つの柱』で分かりやすく解説しました。次回以降も歯科衛生士業務について解説していきたいと思います。
<<理事長コラム>>
池袋同仁歯科クリニックでの歯科衛生士は、患者さんのベストパートナー、サポーターという存在です。患者さんと関わり合う歯科衛生士の力によって、患者さんの口が変わり人生が大きく変わるというのはよくある話です。患者さんに良い影響を与えて貢献できて幸せになれるとても素晴らしい職業だと思います。