はじめに
監修 歯科医師 河合良治
こちらのブログでは、歯周病についての基本的な情報と予防策について詳しく紹介します。歯周病は、単なる歯や歯肉の問題にとどまらず、治療をしていないと全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
歯周病が具体的にどのような病気であるか、予防する方法を分かりやすく解説しますので、最後までお読みいただけますと幸いです。
歯周病とは？
歯周病は、歯肉とその周囲の顎の骨などの組織に影響を及ぼす感染症です。
歯周病はプラークと噛み合わせる力が大きく関与しています。
このプラークは、歯磨きやクリーニングなどで適切に除去されないと歯と歯肉に残ります。長らく残っていますとやがて歯石になります。歯石の形成はさらにプラークをよびよせ、歯肉の炎症を引き起こす要因となります。これらが重なると歯周病の悪循環が起こります。
歯肉炎は、歯肉が赤く腫れ上がり、歯磨きをする時や食事の時に出血しやすくなる特徴があります。これが進行すると、歯周ポケット内へ炎症が波及し、歯周炎へと悪化します。
歯周炎では、炎症が歯を支える骨へと広がり、歯を安定させるための顎の骨などの組織が徐々に破壊されます。この過程で歯肉の歯周ポケットが深くなり、更なる細菌の蓄積が起こりやすくなります。
この病気の危険性は、その進行が痛みを伴わず進むため、多くの患者様が重度の症状が現れるまで気づかないことにあります。重度の歯周病は、最終的には歯が抜けてしまうことがあり、その影響はお口だけでなく、全身の健康にも及ぶ可能性があります。歯周病は心臓病や糖尿病、呼吸器疾患といった他の健康問題と関連があるとされています。
歯周病の予防方法
歯周病を予防するためには、日常的なオーラルケアと定期的な歯科検診が非常に重要です。以下に、効果的な予防方法を解説します。
当クリニックでは予防プログラムをおこなって、歯周病について積極的に治療しています。
適切なブラッシング技術の習得
歯周病の大きな原因は細菌ですから、正しいブラッシング方法を身に付けることが最重要です。歯ブラシは歯と歯ぐきの境界に45度の角度で当てて振動させるバス法を基本にして、小さな円を描くように優しくブラッシングします。この技術により、歯ぐきを傷つけることなくプラークを効果的に除去できます。一日に少なくとも１回はプラックコントロール、ブラッシングすることが理想的です。
フロスの習慣化
フロスを使うことで、歯ブラシでは届きにくい歯と歯の間のプラークを除去することができます。毎日フロスをすることで、歯周病のリスクを大幅に減少させることが可能です。
フロスはゆっくりと歯と歯の間に挿入し、歯の両側をやさしくこすってプラークを取り除きます。
定期的な歯科検診の受診
定期検診は初期の歯周病を見つけ出し、早期に治療を開始するためにはとても大切です。
通常、半年に一度以上の診察が推奨されていますが、歯周病のリスクが高い人は頻度を上げて検診をさせていただいています。しっかりとクリーニングを行い、歯石を除去して歯周病の進行を防ぎます。
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健康的な生活習慣の維持
健康的な食生活を心がけて、タバコは歯周病のリスクを高めるために禁煙や減塩するなどしていただくことが望ましいです。また、必要に応じてビタミンCやビタミンDなどのサプリメントを摂取することも、お口の中の粘膜を修復することができるので、歯周病の予防に関わってきます。
歯周病の対策グッズを教えて？
歯周病の対策グッズについて
歯周病予防に役立つ様々な市販製品がありますよね。
正しい使い方をすることで、効果的に歯周病を予防して進行を抑えることができます。
以下に主な歯周病対策グッズとその使用方法を紹介します。
歯周病専用歯ブラシ
歯周病対策専用に設計された歯ブラシは、一般的な歯ブラシよりも柔らかい毛を使用しているものが多く、歯肉を傷つけずに磨くことができます。また、小さめのブラシヘッドを持つものが多く、歯肉のラインに沿って磨きやすく、歯と歯ぐきの間の汚れを効果的に除去することができます。
デンタルフロス
フロスは歯ブラシでは届かない歯間部分のプラーク除去に非常に効果的です。フロスを使用する際には、歯と歯の間にゆっくりと挿入し、歯の根元に沿って優しく上下に動かしてプラークを取り除きます。
歯間デンタルブラシ
特に歯間が広い場所に効果的なのが歯間ブラシです。サイズは歯間の空間に合わせて選び、ブラシを歯間に挿入して軽く前後に動かすことで、プラークや食べかすを除去します。 （当医院では基本をフロスとして、ブリッジやインプラントなどやむを得ない場合のみ利用していただくようにしています。）
マウスウォッシュ
抗菌成分を含んだマウスウォッシュは、細菌を取り除くことはできませんが、静菌作用は期待できます。使用する際には、指示に従って適量を口に含み、30秒から1分間ほど口の中でゆすいでから吐き出します。これにより、歯肉の炎症を抑え、歯周病の進行予防の補助としてつかうことができます。
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まとめ
いかがでしたか？適切なオーラルケアの習慣と正しい歯磨き、フロス、定期的な歯科検診を日常生活に取り入れることで、歯周病のリスクを大幅に減少させることが可能です。
一番大切なことはあなた自身が正しく指導してくれる専門家から、適切なプラックコントロール習慣を身につけることです。歯周病は、早期発見をすることで治療での回復も早くなります。歯周病でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。お待ちしています。