監修:噛み合わせ認定医 河合良治
歯列矯正の選択肢として、インビザラインシステムはすきっ歯(歯と歯の間に隙間がある状態)の治療にも効果的です。この記事では、インビザラインを利用したすきっ歯治療の適応、期待できる効果、メリット、そしてデメリットについて解説します。
すきっ歯は、歯と歯の間に隙間が存在する状態を指します。この隙間は、歯が小さい、歯列の不整、歯の本数が少ない、あるいは歯の抜け落ちなどの原因で生じます。すきっ歯は多くの人にとって見た目の問題の原因となることがあり、笑顔の見た目に影響を与えます。
また、機能的には、食べ物の繊維が隙間に挟まりやすくなるため、お口への影響や噛み合わせの問題を引き起こすこともあります。そのため、すきっ歯は見た目だけでなく、お口の健康にも影響を与えることがあります。従来はワイヤー矯正が主流でしたが、最近はインビザラインも進化してきたのでクリンチェックという設計次第で良い結果をえることができるようになっています。
すきっ歯治療とインビザライン
すきっ歯は、美的な問題だけでなく、食べ物が挟まりやすくなったり、発音に影響を与えたりすることもあるため、治療を求める人が多いです。インビザラインシステムは、このようなすきっ歯の治療において、目立たない方法で効果的な矯正を可能にします。
前提として、隙間の量がトータルして歯の移動で埋まる前提です。様々な要因がありますが歯が少ない状態で隙間が空いている場合は、歯を移動しても埋まりきらないことがあります。また、これを無理に矯正しても、口が小さくなって苦しくなったり、舌の力で戻ることがあります。
全てのすきっ歯を矯正で治療したしたほうがいいということではありませんので注意してください。歯が足りなくて全体に隙間が空いてる場合は、隙間を一箇所に集める矯正をして、ブリッジやインプラントをすることもあります。
隙間が多く歯列矯正と併用してブリッジやインプラントでも対応は可能です。
→ →欠損補綴についてお悩みはこちらから
インビザラインとは
インビザラインは、透明なマウスピースを用いた歯科矯正治療の方法です。
この方法では、患者様の歯に合わせて特別に製作された透明なアライナー(マウスピース)を使用します。これらのアライナーは、従来の金属の矯正器具と異なり、目立ちにくく、取り外し可能です。患者様は7日から14日ごとに新しいアライナーに交換し、徐々に歯を理想的な位置に移動させます。この治療法の利点は、その目立たない外観と、日常生活への影響が少ないことにあり、患者様にとってより快適で自然な矯正治療を提供することが可能です。
関連情報:当院HPより
インビザラインによるすきっ歯治療のメカニズムとは?
インビザラインによるすきっ歯治療は、精密に計算された圧力を適用することで、歯を段階的に理想的な位置に移動させる方法です。治療開始時には、口腔内の詳細な3Dスキャンが行われ、このデータを基にして個々の歯の動きを計画します。
治療前にはなぜすきっ歯なのか原因を知る必要があります。成人の前歯におけるすきっ歯は中切歯離開と呼ばれますが、ここに限局しているのであればおそらく小帯が関係してると思われますので、この診断はしっかりと行なってください。これを行わないと後戻りの原因となります。
その後、この計画に基づいて作成された透明なアライナーが提供されます。
各アライナーは、特定の歯に特別に設計された微妙な圧力を適用し、歯を徐々に移動させます。新しいアライナーに交換していき、治療計画に沿って歯を段階的に動かしていきます。このプロセスは、歯を適切な位置にゆっくりと導き、隙間を閉じることで、すきっ歯を効果的に治療します。
治療プランは完全にカスタマイズされており、患者様一人ひとりの具体的なニーズと歯列の状態に合わせて調整されます。インビザライン治療では、患者様が治療過程を視覚的に確認できるため、治療の進行状況を容易に追跡し、最終的な目標に向かって進んでいることを実感できます。この個別化されたアプローチは、すきっ歯治療における効果的かつ満足度の高い結果をもたらします。
適応症例
インビザラインは、歯と歯の間に隙間がある軽度から中度のすきっ歯に最適な治療法です。歯列の軽度から中度の不正咬合がある場合、インビザラインはその隙間を閉じ、歯並びを整えることができます。ただし、すきっ歯の程度や原因によっては、インビザラインが適切でない場合もありますので、治療開始前には詳細な診断が重要です。
期待できる効果
インビザラインを使用したすきっ歯の治療により、以下の効果が期待できます:
- 隙間が閉じ、均一で美しい歯並びを実現。
- 歯磨きやフロスがしやすくなり、口腔衛生の向上。
- 自信を持って笑顔を見せることができるようになる。
インビザラインのメリット
- 目立たない治療:透明なアライナーは、日常生活において目立ちにくく、社会生活への影響が最小限です。
- 取り外し可能:食事や口腔ケアの際にアライナーを取り外せるため、従来の矯正装置よりも衛生的です。
- 快適さ:金属のブラケットに比べて、アライナーは口の中での違和感が少なく、痛みや不快感が軽減されます。
インビザライン治療の大きなメリットの一つは、その目立たない視覚的な効果です。
透明なアライナーはほとんど目立たず、日常生活において自信を持って笑顔を見せることができます。従来の金属の矯正器具と比較して、インビザラインは社会的、職業的な状況においてもほとんど気になりません。
また、インビザラインのアライナーは取り外しが可能で、食事や歯磨きの際には簡単に外すことができます。これにより、食事の際の制限が少なく、口腔衛生の維持が容易になります。さらに、アライナーは滑らかなプラスチック製で、歯肉や頬の内側を傷つける心配が少なく、快適な装着感を提供します。
治療中の日常生活への影響も最小限に抑えられます。インビザラインは、ライフスタイルに合わせて柔軟に対応可能で、スポーツや楽器の演奏、重要な会議やイベントなど、特定の活動中はアライナーを外すことができます。
これらのメリットにより、インビザライン治療は、多くの患者様にとって魅力的な選択肢となっています。目立たない外見、快適な装着感、日常生活への最小限の影響は、治療を受ける際の大きな決め手となるでしょう。
デメリット
- 自己管理が必要:一日に20〜22時間の装着が推奨されるため、忘れずに着用し続ける自己管理が求められます。
- 費用:自由診療のため、初期投資が高くなることがあります。
インビザラインによるすきっ歯の治療は、見た目を重視し、日常生活への影響を最小限に抑えたい方に適しています。しかし、すべての症例に適しているわけではないため、専門の歯科医師の診断と相談が不可欠です。
治療の流れは?
インビザラインによるすきっ歯治療プロセスは、
まず口腔内を詳細に検査し、3D技術を使用して歯並びの正確なスキャンを行います。このデータをもとに、すきっ歯の状態に合わせた個別の治療計画が作成されます。
次に、この計画に基づき、一連のカスタムメイドの透明なアライナーが製作されます。
アライナーを定期的に交換し、段階的に歯を理想的な位置に移動させます。アライナーは一日に約20~22時間着用する必要があり、食事や歯磨きの際にのみ取り外します。
治療期間は、個々の歯並びの状態や治療計画によって異なりますが、一般的には数ヶ月から1年以上にわたることが一般的です。
患者様は、指示された通りにアライナーを着用し、定期的に診察を受けることです。
診察では、治療の進行状況が評価され、必要に応じて微調整が行われます。
このプロセスを通じて、すきっ歯は徐々に矯正され、治療終了時には理想的な歯並びを得ることができます。定期的な調整と患者様の協力が、治療の成功への鍵となります。
関連情報:当院HPより
参考情報:インビザラインHP
治療効果の期待
インビザラインによるすきっ歯治療の結果は、見た目と機能の両面で大きな改善をもたらします。治療後、隙間が閉じて均整の取れた美しい歯並びを実現し、笑顔に自信を与えます。また、歯の噛み合わせが改善されることで、食事の際の快適さや発音の明瞭さが向上するなど、機能面でも利点があります。多くの患者様が自信を取り戻し、社交面や職業面での積極性が増すことが期待されます。インビザラインによるすきっ歯治療は、美的な改善だけでなく、日常生活の質の向上にも寄与します。
まとめ
いかがでしたか?インビザラインでは、軽度〜中等度のすきっ歯に関して効果的な治療法です。目立たないマウスピースで日常生活への影響が少なく、見た目と機能の両面で改善をもたらします。
インビザラインが気になる、すきっ歯を治療したいなど、まずは相談から始めてください。気になることがあればいつでもご相談ください。