監修:歯科医師 河合良治
歯科矯正を始めようと考えた時に、目立たないインビザラインを選択肢に入れる方が多いのではないでしょうか?実はインビザラインにはいくつか種類があり、患者さんの歯並びや希望によって選ぶことができます。
今回はインビザラインの種類と選び方についてお話ししていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
基本的なインビザラインの種類について
ここではインビザラインの基本メニューである4つをご紹介していきます。不正咬合の度合いによってメニューが異なっており、費用や期間も異なります。
コンプリヘンシブ | 重度(アライナーの枚数制限なし) | あらゆる歯並びの悩みに |
モデレート | 中度(アライナーは26枚以内) | 大きく咬み合わせを変えない中度の症状に |
ライト | 軽度(アライナーは14枚以内) | 軽度の噛み合わせの悩みや、少しガタガタしている歯並び |
エクスプレス | ごく軽度(アライナーは7枚以内) | ちょっと気になる歯並びのずれに |
参考:インビザライン公式HP
前歯のみの部分矯正は「インビザラインGO」
先ほどご紹介した4つのインビザラインメニューが全ての歯を対象とした治療であるのにたいし、インビザラインGOは奥の歯を除く、前歯の計20本を対象とした治療メニューになります。
通常のインビザラインと同じ素材やシステムを使用していますが、治療範囲を限定することで短期間・低価格な治療になっています。
しかし、インビザラインGOが適応される歯並びとしては噛み合わせに大きな問題がないこと、軽度の不正咬合に対して適応されます。
重度の不正咬合の方はできないこともありますので、事前に相談しましょう。
<インビザラインGOができる歯並び>
◼️叢生(乱ぐい歯)
顎のサイズに対して歯が並ぶ十分なスペースがなく、重なってデコボコになっている状態。
◼️空隙歯列(すきっ歯)
歯と歯の間に大きな隙間がある状態。
◼️交叉咬合
口を閉じた際に、上の歯のいくつかが下の歯の内側にある状態。
◼️開咬
前歯だけが咬み合うことができない状態。
お子様の矯正治療は「インビザライン・ファースト」
インビザライン・ファーストは6歳から始められるお子様のインビザライン矯正です。
基本的に乳歯と永久歯が混在している6歳〜10歳のお子様が対象になりますが、歯の状態によっても変更できますので、一度歯科医院で相談してみましょう。
インビザラインファーストでお子様の顎の発育をサポートすることで、これから生えてくる永久歯のためのスペースを作り、綺麗な歯並びへと導いていきます。
子供の頃から歯並びを整えることで、見た目に綺麗なだけでなく虫歯や歯周病の予防にも繋がり、大人になってからもずっと健康なお口をキープすることができます。
インビザラインの選び方
インビザラインの種類を全てご紹介しましたが、歯並びを根本的に綺麗にしたい、噛み合わせを整えたいという方は基本的に「コンペリヘンシブ」か「モデレート」を推奨されることがほとんどです。
反対に不正咬合の度合いが軽度で噛み合わせにも大きな問題がない場合は、「ライト」や「エクスプレス」そして「インビザラインGO」を利用できることもあります。
ただし本当の正確な噛み合わせは顎の関節から考えるべきというのが私たちの考え方ですので、その考え方でいくと、噛み合わせの異常があって歯列矯正する場合、少ないシートで済むのはかなりのレアケースのはずです。
このように、ご自身では歯並びがそこまで悪くないと感じていても、噛み合わせがずれていたり何か問題がある場合は、ご自身の希望に合うコースで治療ができないこともあります。
事前にしっかりと歯科医師と相談しましょう。
まとめ
今回はインビザラインの選び方についてお話ししました。インビザラインには、歯並びの状態によって選べる4つの基本メニューに、前歯のみの矯正治療であるインビザラインGO、そしてお子様のインビザライン矯正であるインビザライン・ファーストがあります。ただし私たちは選んでいただくというよりは、歯列不正の大きさやズレに応じて推奨させていただくようにしております。
不正咬合の度合いによって治療メニューは異なってきますので、まずは相談で歯科医師に実際の口腔内をチェックしてもらいご自身がどのメニューで治療可能なのか聞いてみましょう。
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