執筆:歯科医師 河合良治
何らかの理由で、歯列の中間の歯を失ってしまった場合、よく選択される治療法に「ブリッジ治療」があります。両隣から橋をかけるような行動なので、ブリッジと言われます。ブリッジをされている方がホームケアで悩まれるのが「どうやって清掃したらいいの?、フロスをしたらいいの?」という点です。
今回は、ブリッジをしている場所のフロスの仕方や注意点についてお話ししていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ブリッジはどんな形態をしている?
まずフロスをする上で、ブリッジがどのような形態になっているのか理解しておく必要があります。
ブリッジは、歯を失ってしまった部分を補うために、両サイドの歯を土台にして橋渡しのように被せ物を行う方法です。
そのため、最低でも歯3本分の連結した被せ物が入ることになります。この被せ物の歯と歯の間は繋がっており、真ん中にダミーの歯(ポンティック)が入っています。
ブリッジは全て繋がった歯の形態になっているため、通常のフロスを通すことができません。
ブリッジはどのようにフロスしたらいい?
先ほども説明したように、ブリッジは被せ物自体が連結した作りになっているため、普通のように歯と歯の間にフロスを通すことができないため、ポンティック(ダミーの歯)の下の部分に汚れが溜まりやすくなります。
そこでおすすめなのがブリッジなど通常のフロスができない場所に使用するために作られた「スーパーフロス」か「フロススレッダー」です。
・スーパーフロス
出典:Amazon
スーパーフロスはフロス(糸ようじ)とフィラメント(スポンジ)そしてフロススレッダー(フロスを歯に通す補助具)が全て一緒になったものです。
フロスの両端がスレッダー部分になっており、硬く簡単にブリッジの下に通すことができます。スーパーフロスの糸部分はふわふわとして太めのスポンジ上の糸になっているため、幅が広いポンティックの下でもしっかり汚れを絡めとることができます。
スーパーフロスはブリッジだけでなく、インプラントが入っている部分や矯正器具がついている部分など、通常のフロスが使えない部分にも使うことができます。
<使い方>
①スーパーフロスの両端であるスレッダー部分(硬い部分)をポンティックの下へ挿入
この時ポンティックの真下よりは、ポンティックと土台の歯の間の広い隙間から入れると入りやすいです
②フロスを両手で掴み、ポンティックに擦り付けるように擦って汚れを落とします
いろんな角度や場所を擦るようにしましょう。この時、真上に強く引っ張るとブリッジが外れやすくなる原因にもなりますので注意してください。
③フロスを外す時は、内側に通っている糸から手を外し、外側に引き抜くように外しましょう
スーパーフロスは通常のフロスに比べて慣れるまで使いにくいと感じるかもしれません。自己流でやらずに、まずは歯科医院で歯科衛生士に正しい使い方を教えてもらってくださいね。
参考:Dental E-hub
ブリッジ部分のフロスをする上での注意点
ここでは、ブリッジ部分にフロスをする際の注意点についていくつかお話しします。
無理にブリッジを引っ張らない
一番気をつけてほしいことが、フロスをしている最中にブリッジに引っかかって抜けなくなってしまい無理やり引っ張ってしまうことです。
通常は、歯とブリッジが緊密に接着、合着されているので、あまりないのですが、歯とブリッジが緊密でなく、すきまがあったりする場合です。ここにもしはまってしまい、力を入れてフロスを引っ張るとブリッジが外れてしまうこともありますので、細かくフロスを動かすようにして、少しずつ外していきましょう。通常はあまりありませんが、もし経年的に時間が経っていて、こうなるともともと緩んでいたことが想像できます。フロス程度で外れてしまう歯は正直すでにハズレかかっていたということでしょう。
どうしても取れない場合は、一度フロスをハサミで切ってから静かに引き抜くようにしましょう。
何をしても取れない場合は、歯科医院で相談してください。
歯ぐき側は優しく
スーパーフロスを入れたあとはポンティック側と歯ぐき側のどちらも擦って汚れを落としていきます。歯ぐき側の方は汚れが溜まりやすく歯肉炎が起きやすい場所でもあるため、強く擦ってしまうと傷や出血の原因になってしまいます。
特に歯ぐき側は優しく擦るようにしましょう。
まとめ
今回はブリッジ部分のフロスについてお話ししました。ブリッジを装着したあとは通常のフロスは使えなくなります。そのためブリッジ部分にも使用できる「スーパーフロス」などを利用してお掃除するようにしましょう。
ブリッジに関して不安がある、聞きたいことがある場合はお気軽にご相談ください。当院では補綴の専門家である歯科医師が治療を担当いたします。治療の選択に迷っている方は一度当院でお話をお聞かせください。
」があります。ブリッジをされている方がホームケアで悩まれるのが「どうやってフロスをしたらいいの?」という点です。
今回は、ブリッジをしている場所のフロスの仕方や注意点についてお話ししていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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