執筆:歯科医師 河合良治
歯を失ってしまい、入れ歯を装着することになったけれど、入れ歯を入れてから肩こりがひどくなったような気がする…という方はこんなことが原因かもしれません。
今回は入れ歯と肩こりの関係についてお話ししていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
入れ歯をしてから肩こりがする
入れ歯をしてから肩こりがひどくなったという方がたまにいらっしゃいます。
これは、入れ歯がお口に合っていないことで、噛み合わせが乱れ、左右の歯にかかる力に偏りが出てしまうことで起こります。
偏りが起こるということは偏った噛み方をし、肩こりや頭痛を引き起こしてしまうのです。その状態をさらに放置してしまうと、最終的には片側に力が入る癖がつき全身の姿勢にも影響が生じることもあり得るので早めの対応が必要です。
肩こりが続くようなら入れ歯の噛み合わせをチェック
入れ歯を装着している際に肩こりが続くようであれば、一度歯科医院で相談し、入れ歯の噛み合わせをチェックしてもしましょう。
入れ歯作成は経験豊富な歯科医院を選ぼう
もし、もし改善されないようであれば、その医院との相性が悪いかもしれません。別の医院や自費での入れ歯作成も考えてみてください。
もし再作成の際には、保険適応の入れ歯にはルールがあり、新しい入れ歯を作成してお口に入れた日から6ヶ月以上経たないと新しく作ることができませんので安易な作り直しをしないようにしましょう。
入れ歯作成は基本的にどの歯科医師も作成することが可能ですが、噛み合わせに対する知識が少ない歯科医師が作った入れ歯は、見た目は綺麗でも機能的に問題があるといったトラブルが怒ることがあります。
入れ歯を作る際には、経験が豊富で入れ歯治療に力を入れている歯科医院を選ぶようにしましょう。HPなどで事前にチェックすると、その医院が何の治療に力を入れているのか調べることができます。
当院では、噛み合わせを重視した治療を得意としており、精密な入れ歯作りの知識が豊富な歯科医師が治療を担当します。
以前作ってもらった入れ歯が合わないという方や、これから入れ歯を作る方はぜひ当院で一度相談してみてください。
入れ歯作成後は「調整」が重要
入れ歯を作成したばかりの頃は、微調整が必要です。
これは入れ歯治療の経験が豊富な歯科医師が作成しても同じことが言えます。入れ歯治療は、作成後すぐの調整が重要になり、細かな調整を続けながらその人のお口にあう入れ歯を一緒に作っていきます。
入れ歯を作成したら終了と思わずに、その後も入れ歯が合うまで数回調整に通いましょう。少しの違和感でも、肩こりや口内炎の原因になりかねないからです。気兼ねせずになんでも相談してください。
参考:日本補綴歯科学会
自費で作れる精密な入れ歯
入れ歯治療には、保険適応で作る入れ歯と自費診療で作れる入れ歯があります。後者の自費の入れ歯は材料や作る過程において保険では使われない材料を使っていくために、その人のお口によりフィットするものが作れます。特に作っていく過程で噛み合わせを重視するには、一発で作るような魔法を期待せずにじっくりとステップを踏んで作ることが重要です。
自費の入れ歯で有名なものが「金属床義歯」です。
入れ歯の床の部分が、金属で出来た入れ歯で、プラスチックのものよりも床部分が薄くつくれるため発音がしやすく、装着した際の違和感も少なくて済みます。
また食事の際に冷たいものや温かいものの温度が伝わりやすいので、食事をより楽しむことができるといったメリットもあります。
保険のプラスチックの入れ歯と比べると、耐久性もあり、汚れが付きにくく、清潔で快適に使っていただけます。
ただ、保険の入れ歯に比べて金属でできていることから修理が難しい上、製作費用は高価になります。歯科医師と相談してご自身にあった入れ歯を相談してみてくださいね。
まとめ
今回は、入れ歯と肩こりの関係についてお話ししました。
お口に合わない入れ歯を使うことで、噛み合わせが乱れ、左右の歯にかかる力に偏り出てしまうことでさまざまな症状を起こしていきます。
顎が歪み(骨格ではなく表情)、肩こりや頭痛を引き起こしやすくなり、さらに放置してしまうと身体の歪みにも繋がりますので、早めに入れ歯の再作成や調整をしてもらうようにしましょう。
入れ歯作成がなぜ難しいのかというと、ズバリ歯のような硬いものを扱うのでなく、粘膜という柔らかいものを相手にするからです。そこを理解して経験豊富な歯科医師と歯科技工士の連携が必要です。当院では、その人にあった精密入れ歯の作成に力を入れていますので、お困りの際はなんでもご相談ください。笑顔で食事ができるまで、納得いくまでお付き合いいたします。
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