執筆:歯科医師 河合良治
もしあなたが歯痛や倦怠感を感じるけど「我慢できるからそのままにしている…」というのであれば、何かしらの原因でお口に問題があるかもしれません。
放置してしまうと状態が悪化しおおごとになることもあるため、早めに歯医者を受診することをおすすめします。今回は歯痛や倦怠感の原因や放置することの危険性についてお話ししていきますので、ぜひ参考にしてください。
歯痛や倦怠感の原因
歯痛や倦怠感の原因はひとつだけでなくいくつか挙げられます。ここでは多く見られる原因をご紹介していきます。
虫歯
もっとも多い原因として挙げられるのが進行した「虫歯」です。
虫歯は虫歯菌に感染することで、菌が出す酸により歯が溶けてしまう病気です。虫歯が進行し、菌が神経にまで達してしまうと強い痛みを感じるようになります。この場合は神経を除去する治療をおこなう必要があり、被せ物で歯を補っていきます。
またそのまま虫歯を放置することで神経は死んでしまい、痛みは感じなくなりますが、根が膿んでしまい炎症が起こります。慢性炎症という症状を感じないもののため、さらに放置しておくと「顎骨炎(がっこつえん)」と呼ばれる、顎の骨にまで炎症が広がってしまう状態になってしまうことがあります。その場合は痛みだけでなく、倦怠感や発熱などほかの症状もでてきます。。
最悪の場合は虫歯の菌が血液に入り込み、全身に巡り命の危険性もでてきますので早めに歯医者で治療してもらうようにしましょう。
参考:日本口腔外科学会
親知らず
親知らずは永久歯の1番奥(前歯から数えて8番目)に生えてくる歯です。人によっては生えてこなかったり、先天的に欠損していることもあります。
親知らずは横向きに生えてきたり、半分埋まっていたり、また1番奥に生えてくるため、汚れが溜まりやすく炎症を起こしやすくなります。
親知らずの周りに起きる炎症を「智歯周囲炎」と呼び、人によっては歯痛や倦怠感を感じることがあります。炎症が強い場合は、まず抗生剤などで炎症を抑えてから抜歯などの治療を行っていきます。
難症例の場合には近隣の大学病院へご紹介もさせていただきますので、まずは一度ご相談ください。
歯ぎしりや食いしばり
朝起きた際に歯痛や顎の痛み、倦怠感を感じる方は寝ている際に歯ぎしりや食いしばりをしている可能性があります。
歯ぎしりや食いしばりは「ブラキシズム」と呼ばれ、歯や顎に大きな負担がかかってしまうため早めの対処が重要です。
ブラキシズムはストレスなどで起こってしまう場合は、根本的に治すのは難しいとされています。そのため寝ている間に装着して歯を守る「ナイトガード」を作るのが一般的ですが、噛み合わせのズレが大きいとそれを無意識のうちに擦ってしまうということがよくあります。この場合は噛み合わせ治療に取り組むことで理想の噛み合わせを手に入れることで、歯軋りが少なくなったり、肩こりが無くなったりすることはよくあります。
また、習慣的に「食いしばり」をしていないか、つまり普段から意識的に上下の歯が当たっていないか確認し、当たっている人は上下の歯を合わせないように、軽く隙間を作るようにして顎をリラックスさせましょう。
参考:テーマパーク8020
歯痛や倦怠感を感じたら早めに歯医者へ
歯痛や倦怠感は体からの重要なサインです。我慢できるからと放置してしまうと手遅れの状態になってしまうこともあります。健康な歯をキープするためにも、違和感を感じた時点で歯医者でみてもらいましょう。
早い段階であればあるほど、治療も負担が少ないです。また、定期的に検診に通うことで初期むし歯や親知らずの状態も確認することができますので、症状がなくても一度歯医者で検診を受けてみましょう。
まとめ
今回は歯痛と倦怠感を感じる原因や放置してしまうと起こる危険性についてお話ししました。
特に虫歯が進行してしまっていることでおこる歯痛や倦怠感は放置してしまうと、歯だけではなく身体全身に悪影響を及ぼしてしまうため早い段階で治療を受けましょう。
当医院への相談は歯科ドックをお勧めいたします。
現在のあなたのお口の状況をしっかりと聞かせていただき、その後レントゲンや模型などであなたのお口の問題解決を一緒に取り組んでいきます。
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