顎が外れてしまった時の対処法
執筆:かみ合わせ認定医 河合良治
何度も顎が外れたり、カクカクと音がする場合は「顎関節症」の可能性があります。
なかなかどんな症状なのかわからないですが、顎の小さい日本人は顎関節症に悩んでいる方が多いです。今回は、顎関節症で顎が外れた時についてお話ししていきます。
顎が外れてしまった場合、慣れてる方はご自身で戻されるようですが、慣れないとなかなかご自身で戻すのは難しいと思います。整復処置をおこなってくれるクリニックや整骨院がいいでしょう。
整復処置は、患者に座ってもらい頭部をしっかり固定し、術者が下顎奥歯あたりを親指で下方に強く押し下げながら後方にゆっくりと押すことをやります。下顎奥歯あたりに丸めたガーゼを噛んでもらってやる場合もあります。
顎関節症とは?
顎関節症(がくかんせつしょう)とは、顎に関する症状が出ている状態のことです。顎関節症と診断される症状は主に以下の3つです。
・顎関節痛・咀嚼筋痛(あごが痛む)
・開口障害(口が開かない)
・顎関節雑音(あごを動かすと音がする)
以上の症状が一つでも出ている場合は顎関節症と診断されることがあります。
最初は口を開けるときに顎がカクカクと音がなる程度だったものが、重症化して口が開けられない、激痛が走るという症状になり生活に支障が出てきます。
女性にやや多く、20歳代と40歳代以降に多くみられます。
参考:日本顎関節学会
顎が外れるのは顎関節症?
顎が外れるのは顎関節症?と思われる方もいますが、正式な名前は「顎関節脱臼」といいます。
顎関節の支点となっている下顎頭(かがくとう)が可動域を越え、関節から外れて口が閉じられなくなる症状です。
あくびなど大きく口を開けたりした拍子に顎が外れてしまうことがあり、クセになると何度も繰り返してしまうことがあります。
顎が外れると口が閉じられなくなり、強い痛みを伴うことがあります。ご自身で元に戻す人もいますが、無理にやるとさらに痛みが強くなることもありますので歯科医院などで元の位置に戻してもらうようにしてください。
参考:口腔外科相談室
顎が外れやすくなる原因
顎が外れやすくなる原因にはいくつかあります。
■噛み合わせに問題がある
不正咬合などで噛み合わせが悪いと、顎全体が滑り、関節に負担がかかり、外れやすく顎関節症のリスクが高くなっていきます。
噛み合わせと歯並びの見た目は必ずしも繋がっているわけではなく、見た目では綺麗に見えても噛み合わせが悪いケースもたくさんありますので、一度顎関節症や噛み合わせ治療を行っている歯科医院で相談してみましょう。(根本解決はさらに踏み込んだ治療をしている歯科クリニックでないと難しいです。)
噛み合わせの治療をすることにより、今後のリスクを減らすことができます。
→ →見た目はいいけど、噛み合わせが悪いのか?なぜ悪いのか?
当医院での噛み合わせ解説が参考になります。噛み合わせ治療根本解説
■顎関節の骨が変形している
顎の関節は、「下顎骨」と「下後窩」、それから骨と骨がこすれてしまわないように衝撃をやわらげるクッションのような「関節円板」から成り立っています。
これらが噛み合わせが悪く習慣的な力がかかることによる負荷や、事故や球技など外傷でなんらかの原因によって変形など平らになってしまうと下顎頭が固定されにくくなり顎が外れやすくなってしまいます。ただし、正しい噛み合わせにすることにより顎関節にかかる負担が減り、頻度が減るようにすることは可能です。
正しい治療を受けるようにされてください。
まとめ
今回は、顎関節症や顎が外れてしまう顎関節脱臼についてお話ししました。これらは繰り返しになりますが、不正咬合による噛み合わせの問題や、外傷によって顎関節の骨や組織に問題がある場合に起こりやすくなります。
顎が外れてしまうと口が閉じられなくなり、痛みも感じるようになりますので早めに歯科医院で対処してもらいましょう。(上記の解説の通り整復処置など)顎はそんなに外れるものではないので、何度も顎が外れることを繰り返す場合は、専門の治療が必要です。一度専門医で相談してみましょう。(当医院は根本解決型の治療を行っています。)
噛み合わせに強い歯科医が日本では少ないのが現状です。
当院での顎関節症の治療についてはこちらから>>>https://www.118doujin.com/gakukansetsu/
当院では、顎に関するお悩みや噛み合わせについて多くの相談を受けております。お気軽にご相談ください。
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