執筆:歯科医師 河合良治
目立たない矯正方法として、世代を問わず人気のあるマウスピース矯正。透明なマウスピースを1日に22時間以上装着し、歯を動かしていく矯正方法です。
従来の矯正方法に加えて、矯正器具であるマウスピースが取り外しできることで、通常通りに食事や歯磨きができることが大きなメリットですが、矯正中にマウスピースが浮いてしまうといったトラブルが出ることがあります。
今回は、マウスピース矯正中にマウスピースが浮いてしまう原因や対処法についてお話ししていきます。
マウスピース矯正中にマウスピースが浮く
透明なマウスピースを長時間装着する必要のあるマウスピース矯正ですが、装着してもマウスピースが浮く感じがするという方がいらっしゃいます。
マウスピースが浮いてしまっていると、歯に十分な力がかけられなくなり、計画的に歯が動いていきません。結果、矯正期間が伸びてしまうといたことになりますので、早めに対処してあげましょう。
マウスピースが浮いてしまう原因
ここでは、マウスピースが浮いてしまう原因をいくつかご紹介していきます。
マウスピース装着時にしっかりと装着できていない
インビザラインのマウスピースは歯を動かしていくための形状になりますので、現在の歯並びにピッタリとある形ではありません。
そのため、しっかりと装着時に押し込んで入れる必要があります。この押し込みが不十分ですと、マウスピースが浮いてしまう原因になります。
マウスピースを装着する際には、「チューイー」と呼ばれる、シリコン素材の補助器具を使うことをおすすめします。マウスピースを装着し、チューイーを噛むことでマウスピースをしっかりとはめ込むことができます。
また、チューイーなどを使わずにマウスピースをそのまま噛んで装着するのは破損の原因にもなりますので避けるようにしましょう。
マウスピースの不具合や順番の間違い
マウスピース矯正では、決まった順番にマウスピースを装着していく必要があります。
治療開示しにまとまった数のマウスピースを渡されるので、管理が甘いとマウスピースがぐちゃぐちゃになってしまうことがあります。
マウスピースの順番を間違えるとマウスピースが浮く原因になり、計画通り治療が進んでいきませんので、必ず交換時にパッケージをみて間違えていないか確認しましょう。
また、チューイーを使って装着してもなお浮いている感じがするのであれば、マウスピース自体に不具合があるかもしれませんので、歯科医院で相談してみましょう。
当院のマウスピース治療についてはこちらから>>>マウスピース矯正(インビザライン)
矯正開始時やマウスピースの交換時は浮く感じがすることも
矯正治療を始めたばかりや、新しいマウスピースに交換したばかりの時はマウスピースがまだ歯並びに馴染んでいないために浮いた感じがすることがあります。
この場合は3日もすれば、マウスピースが馴染んできます。まずは3日ほどマウスピースを装着して様子を見てみましょう。
チューイーを使用して装着しても1週間以上浮く感じがする場合は、歯科医院で相談してみましょう。
まとめ
今回はマウスピース矯正中にマウスピースが浮いてしまう原因や対処法についてお話ししました。矯正に使うマウスピースは歯を動かすためのものなので、歯形にピッタリなるような作りにはなっていません。
そのため、マウスピースの装着時や交換時には浮く感じがすることもあります。この場合は、3日ほど様子を見てみましょう。
また、マウスピースを装着する際にはチューイーと呼ばれる補助器具を使って装着してください。チューイーは歯科医院で購入することができますので、ご相談ください。
他にも矯正中に気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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