執筆:歯科医師 河合良治
冷たいもので歯がしみる知覚過敏。一度は、経験したことがある方も多いと思います。
軽度のものであれば、そこまで気になりませんが、重度のものになってくると風が当たっただけでしみるという方もいるほどです。
今回は知覚過敏とはどんなものか?原因や歯医者での治療法についてお話ししていきます。
知覚過敏とは?
知覚過敏(ちかくかびん)とは、何らかの原因で歯の一番表面にあるエナメル質が磨耗し、象牙質が露出することで、冷たいものがしみる状態のことをいいます。
象牙質には、神経に繋がっている無数の管(象牙細管)が存在し、冷たいものの刺激が神経に伝わることで歯がしみてしまいます。
参考:テーマパーク8020
知覚過敏になってしまう原因
知覚過敏になってしまう原因はいくつかあります。
・歯肉の退縮
・歯の破折
・歯の磨耗
・ホワイトニング
・歯が溶ける
知覚過敏でもっとも多い原因としては、歯肉退縮や歯の磨耗によるものです。歯周病や加齢により歯肉が下に下がると、歯根(歯の根っこ)部分が露出していきます。
歯根には、エナメル質が存在しないので刺激がダイレクトに神経に伝わり歯がしみやすくなります。また、歯ぎしりなどのブラキシズムや硬い歯ブラシで強く歯を磨きすぎることで歯が磨耗し、象牙質が露出してしまい知覚過敏になります。
また、食べ物や飲み物が原因でエナメル質が溶け象牙質が露出してしまっている場合もあります。私たちのエナメル質はpH5.5程度で溶け始めますが、ジュースや甘いものなどほとんどの食べ物が酸性です。
ダラダラと間食やジュースなどを飲んでいると、歯が脱灰と言って溶けている状態になるため、食事や間食はできるだけメリハリをつけて撮りましょう。
他にも、ホワイトニングをすると知覚過敏の症状がでますが、一時的なものが多いです。
歯医者での知覚過敏の治療
歯医者での知覚過敏治療法としては、象牙質が露出してしまっている部分に、知覚過敏専用のお薬を塗布して一層膜を張り、外からの刺激を遮断する方法になります。
しかし、時間が経つにつれてお薬も剥がれてきてしまうので定期的に塗布する必要があります。
重度の知覚過敏の場合は、歯全体を被せ物で覆う補綴治療や、歯の神経をとる根管治療になることがあります。
歯ぎしりなどのブラキシズムが原因で歯が磨耗してしまっている場合は、専用のマウスピースを作り寝るときにはめていただくことで、歯ぎしりによる負担を分散させることができます。
知覚過敏を防止するにはその原因を知り、ご自身で対処していただく必要がありますので、まずは歯科医院でご相談ください。
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知覚過敏用の歯磨き粉がおすすめ
ご自身でのセルフケアとしては、市販されている知覚過敏専用の歯磨き粉がおすすめです。知覚過敏用の歯磨き粉には、痛みを抑える「硝酸カリウム」や「乳酸アルミニウム」という成分が含まれています。
いつもの歯磨き粉を知覚過敏用にするだけでも効果を感じられると思いますので、一度使ってみてください。
また、歯ブラシは毛の柔らかいものを使い、優しい力で磨くように心がけましょう。
また、フッ素は歯を再石灰化させ知覚過敏の予防にもなりますので、歯科医院での定期的なフッ素塗布やフッ素入りの歯磨きを使うのもおすすめです。
まとめ
今回は知覚過敏についてのお話をしました。歯医者にくる患者様の中でも知覚過敏の症状を訴える方はとても多いです。
そのほとんどが歯肉の退縮や歯が磨耗してしまっているために起きているものですので、原因を除去する必要があります。
知覚過敏の症状がある方は、我慢せずに一度歯科医院に相談してみてください。
当院でも、歯科検診やクリーニングなどいつでもご予約お待ちしておりますので、お気軽にご連絡くださいね。
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