執筆:歯科医師 河合良治
一昔前は、歯医者は歯の痛みなどトラブルが出てからいく場所といったイメージを持たれがちでしたが、最近は予防歯科の考えが広まってきたこともあり、積極的に歯科医院にクリーニングへ行く方が増えています。
今回は、そんな歯医者でのクリーニングをすることによってどんな効果が得られるのか?そしてどんなクリーニングはどんなことをしているのか?についてお話ししていきます。
歯医者のクリーニングってどんなことをするの?
一言で歯医者のクリーニングと言っても、実は色々なことを行っています。まず歯医者でクリーニングをしてもらう際には、歯科衛生士さんにしてもらうのが一般的です。
クリーニングで行う内容は大まかに以下の通りです。
- 口腔内の観察
- スケーリング
- PMTC
- ブラッシング指導
- フッ素塗布
歯科医院によって、クリーニングで行う内容は多少異なってきますが、大体以上の内容をすることがほとんどです。詳しく1つずつお話ししていきますね。
当院では予防プログラムでお口の中を体系的に管理していきます。
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口腔内の観察
まず、クリーニングをする前にしっかりと口腔内の観察を行います。どこにプラーク(歯垢)や歯石がついているのか、むし歯はできていないか?などお口の中の様子を確認します。
むし歯などがありそうな場合は歯科医師に伝え、後ほどしっかりと診察してもらいます。
スケーリング
スケーリングとは、超音波スケーラーやエアスケーラーなどの専用の機械を使って汚れを落とす処置です。機械の力で、ご自身では落とせない歯石を砕きながら除去していきます。
細かいところまでクリーニングすることができるので、ご自身では見えないところもしっかりとキレイにしていきます。機械を使うのがメインですが、手用のスケーラーを使い手で細かい歯石を取ることもあります。
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PMTC
PMTCとは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略になり、歯科医院でプロの手によって行われる歯面清掃のことを言います。
スケーリングで歯石や汚れを落とした後は、7,000〜10,000回転する電動歯ブラシのような機械を使い、歯面にこびりついているバイオフィルムを落とします。
バイオフィルムとは、お口の中にいる細菌が作り出すネバネバとした膜で、ご自身の歯磨きでは落とすことができません。バイオフィルムを剥がして歯面をツルツルにすることで、新たな汚れや細菌を付きにくくします。
ブラッシング指導
クリーニングのメニューとして、歯ブラシの正しい使い方を患者さんに直接ご指導させていただくこともあります。歯科医院でのクリーニングも大事ですが、最も大事なのはご自身でのセルフケアになります。
歯ブラシが正しくあたっていないと、どんなに時間をかけて磨いても汚れはうまく落ちません。当院ではその人に合ったブラッシング指導を行い、歯磨きが上手になるようにサポートさせていただきます。
フッ素塗布
クリーニングの仕上げはフッ素塗布になります。フッ素は、歯質を強化しむし歯に負けない強い歯を作ってくれます。安全性も高く世界中の歯科医院で使用されているため安心してください。
市販で売られている歯磨きに含まれる最高濃度のフッ素は、1400ppmですが、歯科医院では9,000ppmという高濃度のフッ素を塗ることができます。
普段の歯磨きで低濃度のフッ素を歯面に取り入れ、歯科医院で定期的に高濃度のフッ素を取り入れることで、強い歯質になっていきます。
参考:クリニカ
まとめ
歯医者で行うクリーニングは汚れを落とすだけでなく、歯の表面に強固にこびりついたバイオフィルムを剥がし、汚れをつきにくくしたり、フッ素を取り込んで歯を強くしたりと歯に良いことばっかりです。
さらには、正しい歯磨き方法を知ることができたり、早期に初期むし歯を発見できたりと歯の寿命を大きく伸ばすことができますので、ぜひ積極的に歯科医院でクリーニングを行うようにしましょう。
当院でも、クリーニングのご予約をいつでもお受けしております。お気軽にご相談くださいね。
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