執筆:噛み合わせ認定医 河合良治
これを知らずに噛み合わせ治療は受けてはいけない
日本の噛み合わせ治療を受ける時には本当にご注意ください。
正直いって受けてはいけないレベルです!
過激に聞こえるかもしれないが正直なところです。
なぜかというとほとんどの噛み合わせの治療を行っている先生が
自分基準で治療をしてしまうからです。日本の噛み合わせ治療には基準、標準がないということです。
これは本当に問題です。
日本の歯科治療はずっと歯を一本ずつ治療することがスタンダードである弊害でしょう。一本の歯の噛み合わせしかみないから、全体の噛み合わせが見えないわけです。
しかし多数の歯を治療する際には絶対に中心位での治療をする必要があります。噛み合わせに不具合を感じる場合も同様です。
基本的に噛み合わせのズレは7割の人であると言われています。症状がでる、あるというのは個人差があります。ただ、噛み合わせがずれていると、顎関節症はもちろん、歯自体の摩耗や削れから虫歯や歯周病になったりもするので、予防的にもほとんどの人がこの治療はした方がいいということです。
なぜ噛み合わせ治療が必要なのか
噛み合わせ治療が必要なのは、顎の動きと顎に乗っかっている歯/生えている歯がうまく良い位置にはえておらずに、うまく噛み合わない、ずれてしまうということで噛み合わせが機能しないことによるものです。
顎と噛み合わせがずれてる人はある統計では70%だというデータがあります。
正常な顎の位置を中心位といいますが、あごの位置がこの正しい中心位でなく、ずれがあるまま歯列矯正の治療すると、余計にずれてしまうことにもなりかねないのです。
噛み合わせの不具合は矯正治療を受けた方がいいのか?
噛み合わせのずれの程度で歯列矯正をすべき方と、調整だけで治療できる方がいらっしゃいます。ただし、どこでも歯列矯正をしていいのか?というとそうでもないところがあるのが日本の歯列矯正の現実です。
歯列矯正をする際にも中心位の考え方を基本にした方がよく、元々の歯の噛み合わせが顎の関節の位置とフイットしていないなら、むやみに歯列矯正を受けない方がいい、しない方がいいでしょう。なぜならば歯列矯正を担当する歯科医が顎の運動と歯の噛み合わせを両方治療できる先生が少ない、ほとんどいないからです。
根本解決には歯列矯正が必要なこともよくあるのですが、顎関節症の治療をできない矯正医に治療をうけると、顎関節症になってしまった時に、「歯列矯正とあなたの顎関節症は関係ない』と言われかねないのです。
世界のスタンダードの噛み合わせ治療とは
噛み合わせは本来歯科医の間では「咬合」(こうごう)といいますが、
アメリカでこの咬合に関しては、LDpankey,Man,SkylerらによるPMSというテクニック方法があり、その系統で今ではDrDawsonが咬合の権威であり本筋です。
私たちのスタディグループが提携しているパンキー研究所 (http://www.pankey.org/)は、アメリカではエキスパートの研修施設となっていて咬合をしっかりと学びます。
つまり、この教育を受けていない日本の歯科医では、咬合治療、噛み合わせ治療はほとんどできないと思っていいです。もう少し詳しくいうと、噛み合わせ治療をやっている先生の中でも、アメリカではもう否定された昔の治療法でやっている先生が多いということです。(認定医の多くがそうなのが現実です。ちょっと古いのです。)
日本人は虫歯治療は器用でうまいかもしれませんが、このような噛み合わせに関しての統一された基準的な考えがあたまになければ、いくら器用でも噛み合わせ治療はどうやってできるのでしょうか。
教授すら。
この日本の情けない話はまだ終わりません。
いちばん上に提示した上記の本を日本で翻訳版がでることになり、
それを翻訳した大学教授を招いて私たちのスタディグループで勉強会を行いました。その教授の口から我々がやってることが本物で間違いというのを期待していたわけですが、
なんと、驚くことにこんなことを我々に言ってしまったのです。
「翻訳したけどここに書かれてるのは理想論であり日本には即していない」と。
本当にびっくりしました。教授がです。
私たちはこの本のとおりやっていてすでに成功している数十年の実績を持つ歯科医師の集まりでした。そして、我々とこの本の通りのおなじ方針でやっている先生が大学教授であれば、ようやくこの治療も市民権を得ることができるようになったかと期待していたのです。しかし、我々のスタディグループの前で恥ずかし気もなくそう言い放ったのです。
これが日本の噛み合わせ治療の現実です。翻訳した大学教授がこれです。。
我々は一般の街の開業医ですが、今までの数々の経験上ただしい方法を確実に学び、実行できるスキルがあれば結果が出ると確信しています。上記の翻訳が出る前から私たちは旧版で学び、英語版がでても皆で訳して勉強していたのでです。
この方法を実践してきて、この治療が唯一のものだ、正解だと確信しています。
これが日本の実情で、欧米ではあごの関節を中心に歯の位置、上下の噛み合わせを考えることも半分の矯正医がするようになってきていると聞いたこともあるが、日本の場合はほぼ皆無であるわけです。
どこで治療を受けるべきなのか?
中心位をベースにした治療とは、
この図のとおり、顎がずれていればその状態で噛み合わせを作っていってしまうので、
これを一致させないといけない。
「大学病院でも治療はダメですか??」と質問を受けたことがあるが、
大学病院でまともに顎関節症や、噛み合わせ治療ができるところはないのではないでしょうか。
例えば、都内の某医科◎科大学で治療をした人は
よく私たちのクリニックをみつけて相談にきます。
なぜか知らないがこの大学からは多いです。
[あちこちたらいまわしにされ治療が進まない]と。
またある人は、テレビにもでてる噛み合わせの先生のところに
行ったんだけど、あごが不安定だから見て欲しいと来院。
口の中はお金がかかってるのはよくわかるが、肝心の噛み合わせは。(汗
これが現実。
テレビとか大学病院とかきくと信頼できるイメージがあるが、
愚直に噛み合わせ治療をしてる人はまあ知らない。
検索するとたくさん出てくるが、ものの見事に結果は出なそう。
結局、
先ほどのDawsonの考え方でやっている歯科医にお世話になればいいのだが、本当に実践してるかはクリニックに問い合わせてください。受講だけして実践していない先生も多数います。
確実なのは、HDAグループメンバーとそのOB先生。(健康中心診療歯科の会員)
ここのOB以外みたこともきいたこともない。他にドーソンと言っていても、研修会に数回行ったことがあるというのが落ちでしょう。当クリニックでは3000人以上の方に噛み合わせ治療を提供してます。
ある有名先生の治療をうけた患者さんのお話しからすると、うちの治療費は某有名先生の半分以下だそうだ。
(そしてその先生の噛み合わせ治療を終えてきた患者さんは、見事に顎のの関節と噛み合わせは合っていなかった。。。)
こんなのしょっちゅうなので、もうほんとにそろそろわたしどもが出版などして、正しい知識を広めたいとおもっています。
ほんと気をつけてくださいね。
PS)費用ばかり気にする人もいますが、かえって二度手間になってしまい
逆にお金かかることよくあります。
噛み合わせ治療はそう簡単に受けるべきものではない。
受ける場合は、PMSを理解してる先生で、それ以外の噛み合わせ治療を受けない方がいい。なぜなら噛み合わせは歯が動かない限り一生変わらないからだ。
成人が矯正する場合もほぼ中心位がずれているので、PMSを理解してる先生がいいだろう。よくあるマウスピースの治療法はマウスピース自体が違うし、また正しい形態でも正しくできてるところはほとんどいない。