執筆:噛み合わせ認定医 河合良治
ホワイトニングを行いたいけど治療期間はどのくらい?効果はどれくらい続く?など疑問に思う方は多いのではないのでしょうか。
ホワイトニング方法によって、治療期間や持続期間は変わってきます。こちらの記事でホワイトニングの特徴や治療期間について詳しく解説していきます。
ホワイトニングの治療期間
オフィスホワイトニング
持続期間:3~10ヵ月
オフィスホワイトニングの治療期間は、1日から1ヶ月で、1回〜4回の通院で完了することができます。処置する歯に問題が無ければ診察初日に1−2時間の処置で歯のホワイトニングができます。
ただし、日本人はホワイトニングで知覚過敏にもなりやすいため、数回で仕上げるのが主流です。また元の歯の色にもより回数は増減します。
一度満足の白さを手に入れたら、個人差ありますが、3-6ヶ月に一回程度処置をするとより効果は持続して、白い歯の持ち主になれます。
オフィスホワイトニングは歯科医院で、主に「過酸化水素」を用いて施術を行います。数回の施術で歯が白くなり、効果が早く出やすいのが特徴です。
自分ですることは特になく、歯科医院に数回通院しておこなう、食事に気をつけるということはあります。
ホームホワイトニング
持続期間:6~10ヵ月
ホームホワイトニングの治療期間は、早い人で装着後1週間~平均1ヶ月程度の治療期間で歯を白くできます。個別にホームホワイトニング用のトレー(マウスピース)を作製するため、初日は歯型をとることが必要になります。
その作製に3~7日程度必要で、完成したトレーにご自身で薬液をいれて口に入れることによりホワイトニングがスタートします。主に薬液(過酸化尿素)を用いて自宅で施術を行います。
はじめに2回ほど通院は必要ですが、のちの通院はチェックを1、2回行う程度ですので、ご自身でいろいろとコントロールできる方法と言えるでしょう。
効果は徐々にでてゆっくりと歯が白くなっていきます。持続効果が長く、オフィスホワイトニングに比べて色戻りがしづらいのが特徴です。
ホームホワイトニングは1日約2時間ほど薬液を塗布したトレーを、ご自身で装着する必要がありますので、トレー装着を行うのを忘れてしまった場合や、装着時間が短い場合には効果にも差がでてきます。
ホワイトニング中の知覚過敏、しみるなどの症状が出た場合は、マウスピースの時間を少なくしたり、控えたりすることでコントロールも可能です。
デュアルホワイトニング
治療期間:1日〜2ヵ月(オフィスホワイトニングを2~3回、ホームホワイトニングを1~2ヵ月程)
持続期間:4-10ヵ月
デュアルホワイトニングの治療期間は、7日から1ヶ月で、3回〜4回の通院で完了することができます。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2つを合わせることによって、常に歯を白くする作用が歯に働き、より早く他の方法単独よりも白く効果を得られます。結婚式などに合わせてお急ぎの場合は、こちらの方法がオススメです。
日本人はホワイトニングで知覚過敏になりやすいことも多いので、初めは様子を見ながら徐々に仕上げるのが理想です。
一度満足の白さを手に入れたら、ホームホワイトニングでフォローするもいいし、クリニックでオフィスホワイトニングをするのもいいでしょう。
3-6ヶ月に一回程度処置をするとより効果は持続して、白い歯の持ち主になれます。
自分の歯をセラミックでなくそれなりに白くしたいひとに向いてる方法です。もちろん食事に十分気をつけてください。ということもあります。
ウォーキングブリーチ(失活歯限定)
治療期間:2週間~1ヵ月(3~5回の施術)
持続期間:1年程
歯の神経を失った歯を失活歯といいます。歯は失活すると変色が起こり、その歯に施術を行うことをいいます。
ただし、事故などの衝撃で歯の神経を取った場合のみに利用できる方法で、なぜかというと多くの場合、虫歯などで歯のエナメル質の部分がなくなっていてほとんど適しません。
方法として、歯の神経があった根管に直接薬液を注入し、内側から白くしていきます。
後戻りはしますので、その他のホワイトニング方法と同様、定期的な検診と施術が必要です。
セルフホワイトニング
治療期間:2週間~3ヵ月
持続期間:1ヵ月程
サロンなどで自分で施術を行います。お口の中を触れることは、有資格者の歯科医師、歯科衛生士のみに許される行為ですので、すべてご自身でおこないます。
歯の表面には目に見ない唾液成分の膜があるのですが、これを自分では除去できないこと、つまり薬液が浸透しづらい、
また、歯を白くするための「過酸化物」は歯科医院(歯科医師、歯科衛生士)でないと使用できないことから、歯そのものを白くするというより歯の表面についた汚れを浮き上がらせてとるようなイメージです。
そういったことから効果は一部の人に限定的です。
ホワイトニングの相場についてはこちら>>>創業70周年池袋同仁歯科クリニック|歯のホワイトニング治療の相場費用
【参考情報】日本歯科審美学会|歯を白くする方法について
ホワイトニングの効果とは
歯科医院でのホワイトニング方法は、主に過酸化水素や過酸化尿素などの薬液を用いて歯を白くします。
歯が白くなる仕組みは、主に「ブリーチング効果」と「マスキング効果」の2つです。
ブリーチング効果
ブリーチング効果とは、過酸化水素や過酸化尿素がエナメル質に付着した着色などの成分を分解し、無色透明にする働きのことをいいます。
歯を「漂白」するという意味でよく使われています。
マスキング効果
歯の構造はエナメル質の下に象牙質という黄色っぽい層が存在します。
エナメル質は基本的にガラスのような構造で、無色透明のため、象牙質の色を透かして歯が黄ばんで見えることがあります。
ブリーチング効果では、エナメル質を漂白することは可能ですが、エナメル質の下の層にある象牙質までは漂白することは基本的に困難とされています。
しかし、ホワイトニングの効果は漂白だけではありません。
エナメル質の構造自体を変えることで光を乱反射させ、象牙質の色が透けて見えなくすることが可能です。
これをマスキング効果といいます。
その結果、「ブリーチング効果」と「マスキング効果」2つを合わせることによって歯が白くみえるという訳です。
歯を白くしたい方はこちら>>>創業70年池袋同仁歯科クリニック|ホワイトニング・クリーニング
ホワイトニングの注意事項
被せ物や詰め物の色は白くできない
歯の被せ物(セラミッククラウンなど)やむし歯治療で使用するプラスチックの材料の詰め物は、ホワイトニングで白くすることはできません。
被せ物の着色や黄ばみが気になる場合には、ホワイトニング後、シェードで色の確認を行い、被せ直す必要があります。
また、テトラサイクリン系の薬物による重度な変色歯や、補綴物による歯の変色などは完全に白くすることは難しいとされています。
むし歯や歯周病は治療を行ってから
基本的にむし歯や歯周病がある場合は、治療を行ってからホワイトニングを行います。
しかし、治療で自費の白い被せ物を選択する場合などは、ホワイトニングを行った歯と色の差がでるため、ホワイトニングが終了してから上物を造る場合もあります。
ホワイトニングができない方
妊娠中・授乳中の方は基本的にホワイトニングを行えません。
ホワイトニングに使用される「過酸化物」が胎児や乳児に影響がでないか明確ではないためです。
また、無力カタラーゼ症の方は、「過酸化物」を分解できません。
そのためホワイトニングは禁忌となっています。
他にも18歳未満の方や、重度の知覚過敏の方はホワイトニングは行えません。
被せ物や詰め物についてはこちら>>>創業70年池袋同仁歯科クリニック|美容歯科
【参考情報】大阪歯科大学附属病院|白い歯外来|歯が変色する原因について
まとめ
ホワイトニング治療期間を上記で説明しましたが、あくまでも目安です。
個人差があるため、期間や効果は一概に断定できません。
白くなりやすい方は2週間ほどすると効果が現れますが、中には1ヶ月以上経っても白くなりづらい方もいらっしゃいます。
また、普段の食習慣で着色物のつきやすい物を多く摂取していると、ホワイトニング治療の妨げとなり、白さの持続期間が短縮します。
ホワイトニングを行う際には、むし歯の有無を確認し、治療後、クリーニングなどを行ってから施術を行うことが多いです。
ホワイトニングを早く行いたいと思っていても、施術までに時間を有する場合がございますので、ご了承ください。