歯を失ってしまい、ブリッジ治療で歯を入れてもらったけど「食事のたびに食べ物が詰まる…」といったお悩みを持っている方もいるのではないでしょうか?
ブリッジは人工歯なので、天然歯とは構造が異なり食べ物が詰まりやすくなることもあります。
今回はブリッジに食べ物が詰まりやすくなる理由や、対処法、食べ物が詰まりにくいブリッジ治療について詳しくお話ししていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ブリッジに食べ物が詰まる原因

まずブリッジの構造について理解しておきましょう。
ブリッジ治療は、失ってしまった歯を補うために両隣の歯を利用して橋渡しのように被せ物を行う治療法です。
ブリッジを入れる際には両隣の歯を削り、被せ物を入れる準備をした後に型取りを行い、連結した人工歯を作っていきます。

失ってしまった歯はダミーの歯(ポンティック)が入ります。
入れ歯と違いブリッジは専用のセメントで固定してしまうために、取り外すことはできません。
そのため、ご自身の歯のように噛んで使っていただけることが最大のメリットです。
(保険適応も歯の場所や本数により可能)
ブリッジを入れた後に食べ物が詰まる理由としては主に隙間か、被せ物の段差によるものに分かれますが、最も多いものが、「ブリッジの構造」による隙間でしょう。
・ブリッジの構造上によるもの
ブリッジの被せ物は連結して作りますが、ダミーの歯(ポンティック)は歯茎に埋まってるわけではないので、下に空洞ができてしまいます。この部分に食べ物が詰まりやすくなってしまうのです。

この部分に詰まる食べかすなどは、うがいや歯磨きなどで比較的取れやすいです。この空洞は構造上どうしてもできてしまう部分なので、食後には対処が必要です。
場合によっては空洞が小さくなるようなブリッジの形状や、もしくは噛む面だけ残して、空洞部分を全開にしてしまうこともできます。
・ブリッジと歯の間に食べ物が詰まる
もう一つの理由は、ブリッジを作る際に土台となる歯に被せ物が入った後にブリッジと歯の隙間に食べ物が詰まるパターンです。

これは精密な被せ物であれば、食べ物が詰まることはほとんどありませんが、精度が低く、歯と被せ物に段差ができると食事の際に食べ物が引っかかってしまうのです。またつくって数年はよくても歯茎が上がってくると隙間が出てくるということもあります。
・ブリッジと歯ぐきの境目に食べ物が詰まる
3つ目はブリッジと歯ぐきの境目に食べ物が詰まるパターンです。
ブリッジを入れた頃はピッタリと合っていたかもしれませんが、加齢や歯周病など様々な理由で歯ぐきが痩せてきてしまうと、ブリッジと歯ぐきの境目に隙間ができてものが詰まりやすくなります。

常に食べかすやプラークがブリッジと歯ぐきの間に溜まっている状態ですと、歯ぐきが炎症を起こし腫れ、少しの刺激でも出血しやすくなります。
放置することで歯周病へと移行し、他の歯を失ってしまう原因にもなりますので、早めにブリッジ治療のやり直しをすることをおすすめします。また、ブリッジを入れた後に他の歯を失い、治療をせずに放置することで歯が動いてしまい歯と歯の間に隙間ができてものが詰まりやすくなることもあります。
◾️ブリッジに食べ物が詰まる際の対処法

ここではブリッジに食べ物が詰まる際の対処法についていくつかご紹介します。
・食後にうがいや歯磨きなどの口腔ケアを行う
ブリッジが入っている場合は、食後にうがいや歯磨きを行う習慣をつけましょう。ブリッジは構造上どうしても食べ物が詰まりやすくなってしまいます。
放置してしまうとプラークや歯石の原因になってしまうので、食後には必ずうがい、できたら歯磨きや歯間ブラシ、フロスなどを使ってお口のケアをしましょう。
・ブリッジを作り直す
ブリッジに食べ物がよく詰まる場合は、ブリッジがご自身の歯に合っていないことがあります。
担当の歯科医師に相談し、ブリッジを精密なものに作り変えてもらうことで食べ物の詰まりが軽減または解消されることもあります。保険診療では限界がありますので、ご自身の希望されるものをお伝えするといいでしょう。
(当医院では保険診療の扱いがございません。)
・ブリッジの材料だけではダメ
よくどの材質がいいですか?と質問を受けますが材質だけの問題ではありません。
結局快適なお口にするのは、精度の高い治療を行う必要があります。
- どの歯で支えるかなどのブリッジの設計、
- 歯形を取りやすい削り方、
- 歯形の取り方、
- 作成する歯の材料
- 装着した後の噛み合わせ調整
- ブリッジの正確なメンテナンス方法
らの考慮が必要です。
よく知られているのが、保険の材料は精度には限界がある、経年劣化で黒ずんでくることがある、自費診療ではセラミックを金属の表面に焼き付けたもの、ゴールドなど経年劣化を起こしにくく、汚れがつきにくい材料を使用することができるため、より精密で汚れのつきにくいブリッジを作ることができる、これらは一般的なことです。
参考:日本補綴歯科学会
◼️ブリッジに食べ物が詰まる場合は放置せずに相談を

ブリッジに食べ物が詰まる状態を放置してしまうと、ブリッジの周りにプラークなどの汚れが溜まりやすくなり、虫歯になったり、歯周病になったりとしてしまいます。
歯石になるとご自身の歯磨きでは除去することができず、さらにプラークが蓄積して歯周病を引き起こします。
歯周病は症状が少なく、気づいた時には状態が悪くなっていたということも少なくありません。
残された歯を失わないためにも、ブリッジが合わない場合は早めに治療をして精度の良いものに変えてもらいましょう。
ブリッジの状態を確認するためにも定期的に歯科検診へいくこともおすすめします。
◾️まとめ
今回はブリッジに食べ物が詰まるといったテーマでお話ししました。
ブリッジ治療で一番大切なのは、次のブリッジを作らないために今回の原因を考えて、今回の治療を長持ちさせるということです。
ブリッジに食べ物が詰まる理由としては、ブリッジの構造からくるものや、ブリッジが合っていないことでできる隙間や、歯ぐきが下がってしまうことで隙間ができてしまうことで食べ物が詰まりやすくなります。
どんな理由にしても食べ物が詰まりやすいまま放置してしまうと、虫歯や歯周病の原因にもなりますので、我慢せずに歯科医院で相談しましょう。
当院でもブリッジ治療についてのご相談に乗っております。どんなお悩みでも結構ですので、お気軽にご相談ください。
参考:日本口腔インプラント学会
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