口を閉じても口元がもこっと前に出ているいわゆる「口ゴボ」は、見た目をコンプレックスに感じやすい歯並びの一つです。
口ゴボを改善するために歯列矯正を考える方も多いですが、実際にどのように治療していくのか、どんな治療方法があるのか気になりますよね。今回は口ゴボの歯列矯正についてお話ししていきます。
口ゴボとはどんな状態?
口ゴボとは、口を閉じた際に口元が前に出てしまっている状態です。「口ゴボ」という言葉は医療用語ではなく、「口がゴボっと前に出ている」という表現でSNSなどで使われるようになった言葉です。
口ゴボになってしまう原因にはいくつかあり、上下の顎が前に出ている「上下顎前突症」や、上顎が極端に前に出てしまっている「上顎前突」、下顎が小さいために上顎が前に出てしまっているように見えるケースなどです。
特に顎が小さく、鼻が欧米人よりも低いアジア人女性に多くみられるケースです。
口ゴボの方は見た目だけの場合と、機能的な問題が絡む場合がありますので、どちらに当てはまるのか診断して治療を受けるのかどうか決められるといいと思います。もし開口などにつながっていて、放置してしまうと口呼吸になりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまうといったこともあり得ます。
口ゴボは歯列矯正で治せる?
結論から言いますと「通常の範囲内の口ゴボであれば歯列矯正で改善することが可能」です。
しかし、骨格に問題のある重度の口ゴボの場合は顎の骨から改善する「外科矯正」が必要な場合もあります。外科矯正については後ほど詳しくお話ししていきます。
歯列矯正で口ゴボを治療する方法
歯列矯正には「ワイヤー矯正」や「マウスピース矯正」がありますが、口ゴボに最も適している治療法としては「ワイヤー矯正」ですが、マウスピース矯正でも併用すれば十分可能です。
ごく軽度な口ゴボでしたらインビザラインなどのマウスピース矯正単体でも治療が可能ですが、マウスピース矯正単体の場合は前に大きく出てしまっている歯を後ろに下げるといった動きがあまり得意ではないため、治療後に思ったより口ゴボが改善されなかったといった結果になる可能性もありますので、ある程度併用も頭にいれてされるといいと思います。
しかしワイヤー矯正であれば、歯を後ろに下げるといった動きや歯を大きく動かすこともできるため、一般的な口ゴボなら治療が可能です。
こちらの記事も参考になります。:口ゴボの治し方
重度の口ゴボの場合は「外科矯正」が必要になることも
骨格から前に突出してしまっている重度の口ゴボの場合は、顎変形症の場合があり、通常の歯列矯正では改善することが難しく「外科矯正」での治療を勧められることがあります。
外科矯正とは、手術で顎の骨を改善する外科処置と通常の歯列矯正を組み合わせた治療方法です。
顎変形症の場合、手術は大きく2つに分けられ、1つは上下の顎骨の骨全体を手術で、前後、上下、左右に移動する方法(骨切り術)、2つ目は歯を含む骨の一部だけを切って動かし、噛み合わせと見た目を整える方法です。
手術は全身麻酔下で行い、移動させた骨は医療用のネジやプレートで固定します。入院が必要な処置になりますが、安全性の高い手術になります。
参考:日本顎変形症学会
顎変形症とは
顎変形症がくへんけいしょうとは、上下の顎の骨の大きさや形、位置、バランスの異常などによって生じる状態の総称です。例えば下顎が極端に前にでた「下顎前突症」や上下顎が前に突出した「上下顎前突症」などが挙げられます。
顎変形症になると、噛み合わせに異常があるため食べ物を正しく噛めなかったり、発音が正しくできなかったり、さらには顔の形に変形を生じるために精神的ストレスの原因になることがあります。
顎変形症の場合、外科矯正や矯正治療が保険適応になることがあり、口ゴボでお悩みの方も顎変形症の可能性がありますので、その場合は対応してる歯科医院で相談されてみてください。
ただ外科まではしたくないという方も多くいらっしゃいます。その場合当医院では着地点、ゴールを明確にして100点は無理でも80点をめざす矯正を取り組むことは可能です。
参考:日本頭蓋顎顔面外科学会
まとめ
今回は口元が前に出てしまっている口ゴボが歯列矯正で治せるのか?についてお話ししました。
その程度により治療は異なること、外科対象であっても、非外科的な方法である程度までは対応は可能であることをお伝えしました。
軽度の口ゴボの場合はワイヤー矯正などで治療することが可能ですが、重度の口ゴボの方は顎変形症など骨格に問題があることが多いため、手術を伴う外科矯正の適応になることがあります。
まずはご自身の歯並びに異常があるか診断してもらうためにも矯正相談などでお気軽にご相談してみましょう。
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