執筆:歯科医師 河合良治
透明なマウスピースを装着することで歯を動かしていくインビザライン。矯正装置が透明で目立ちにくいことから多くの人が矯正治療に挑戦するようになりました。
しかしインビザライン矯正中にマウスピースが匂ってきた、または黄ばんできたと感じることもあるかもしれません。
マウスピースは正しい清掃を行わないと汚れや臭いの原因にもなります。今回はインビザラインの正しい洗浄方法や注意点についてお話ししていきます。
インビザラインの洗浄方法
インビザライン矯正では透明なマウスピースを2週間ごとに交換しながら歯を動かしていきます。2週間で新しいマウスピースに交換するとはいえ、正しい洗浄を行わないと臭いや黄ばみなどの原因になってしまいます。
特にマウスピースは樹脂の素材でできているため、臭いや汚れを吸着しやすく、毎日使っていることでマウスピースの表面に細かい傷がつき、そこで細菌が繁殖しやすくなっています。
ここでおすすめしている清掃方法は、まず歯ブラシや手で擦って洗い、2日〜3日に一回は洗浄剤を使用してつけ置きする方法です。詳しく説明していきますね!
参考:インビザラインを清潔に保つには(英語サイト)
歯ブラシや手で洗う方法
これはマウスピースを外した際に毎回行ってほしい清掃方法です。
マウスピースを外したらまず流水で洗い、その後マウスピースの表面を柔らかめの歯ブラシや手で擦って洗いましょう。この時、細かい汚れは手で落ちにくいため歯ブラシを使って擦るのがおすすめです。
この時、かたい歯ブラシや歯磨き粉は使わないようにしてください。歯磨き粉には研磨剤が含まれているため、マウスピースの表面に細かい傷がついてしまう原因にもなります。
もし汚れが気になる場合は、水で薄めた食器用の中性洗剤で軽く洗うといいでしょう。
洗浄剤でつけ置きする方法
2日や3日に1回行ってほしい清掃方法が「洗浄剤」を使ってつけ置きする方法です。マウスピースを外した後、水を入れた容器に洗浄剤をいれ溶かし、その後マウスピースを5分ほどつけておきます。
この方法では、表面の細かい傷に入り込んだ汚れを除去してくれたり、殺菌効果もあるため臭いや黄ばみを予防してくれます。
洗浄剤は歯科医院やドラッグストアで購入することが可能です。洗浄剤にはいくつか種類がありますが、入れ歯の洗浄剤ではなく、「マウスピース専用洗浄剤」を選んでくださいね。
参考:ポリデント
洗浄剤を入れた水につけておくだけなので簡単にでき、マウスピースを常に清潔に保てるためとてもおすすめの方法です。
洗面台の近くにマウスピース専用洗浄剤を準備しておいて、朝マウスピースを外して歯磨きをする際に一緒にマウスピースをつけおきしておくことで1日中綺麗なマウスピースを使うことができます。
マウスピースの清掃は起床後と就寝前が重要
マウスピースは外した際に毎回洗うものですが、特に就寝前と起床後は丁寧に洗うようにしましょう。
就寝中は唾液の分泌が少なくなり、お口の中で雑菌が繁殖しやすい環境になっています。そのため、どんなに歯を綺麗に磨いてもマウスピースが汚れていてはお口の中に雑菌がいるのと同じです。
起床後も一番お口の中に菌が多い状態ですので、しっかりマウスピースを外して洗浄するようにしましょうね。
まとめ
今回はインビザラインのマウスピースの正しい清掃方法についてお話ししました。マウスピースは外したらその都度歯ブラシや手でこすり洗いするようにしましょう。そして2日から3日に1回はマウスピースの洗浄剤でつけおきするようにしましょう。
インビザライン矯正では長い人で2年以上お口の中にマウスピースが入った状態になります。矯正中の虫歯や歯周病、そして口臭などのトラブルを防ぐためにも常に清潔なマウスピースをキープできるようにしましょうね。
当院では、矯正治療の際の不安なことや疑問についてなんでもご相談に乗っています。お気軽になんでも聞いてくださいね。
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