執筆:歯科医師 河合良治
皆さんは「ナイトガード」というものを知っていますか?ナイトガードは、歯ぎしりや食いしばりなどの衝撃から歯を守るためのマウスピースになります。
今回はナイトガードについてお話ししていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ナイトガードとは?
ナイトガードとは、歯ぎしりや食いしばりタッピングなどの「ブラキシズム」から歯を守るために、寝る時につけるマウスピースのことです。
まずはブラキシズムについてお話ししていきます。
ブラキシズムとは
ブラキシズムとは上下の歯が非機能的に当たっている状態です。ブラキシズムには寝ている際にしている睡眠時ブラキシズムと、起きている時に無意識に行っている覚醒時ブラキシズムがあります。
ブラキシズムの中には、歯をぎりぎりと擦り合わせる「歯ぎしり」や、歯を小刻みにカチカチと噛み合わせる「タッピング」、そしてぎゅーっと長い時間噛み合わせている「食いしばり」などがあります。
参考:テーマパーク8020
ブラキシズムを行っている際には、歯に大きな力が加わっており歯の根本が削れて知覚過敏を起こしたり、顎関節症などの悪影響を起こしていきますので、ナイトガードで歯を守る必要があります。
関連サイト:日本顎関節症学会
ナイトガードの目的
ナイトガードは寝ている間に歯を守るマウスピースとご説明しましたが、ご自身で気づかなくても寝ている間に歯ぎしりや食いしばりをしている方が多いです。
朝起きた際に顎が疲れている、歯に痛みがあると言った経験がある人もいるかもしれません。
ナイトガードは少し厚めのマウスピースになり、装着することで歯ぎしりや食いしばりなどの力を分散させて歯への負担を少なくすることができます。
ブラキシズムを日常的に起こしている人は、顎関節症のリスクが高くなります。
当院では噛み合わせ治療に力を入れており、ただナイトガードを作るのではなく患者さんの噛み合わせを考慮したマウスピース作りを行っております。
せっかくナイトガードを作っても正しい噛み合わせになるように作ったものでないとかえって疲れてしまうこともあります。
ぴったりとあったものなら、「つけた方が楽」とお感じになる方がほとんどです。
人によって歯並びや骨格はさまざまです。その人に合ったナイトガードを制作することで歯や顎への負担を減らすことができ、快適な食事や噛み合わせをすることができるようになります。
関連ページ:池袋同仁歯科の噛み合わせ治療
ナイトガードの作り方
ナイトガードを作る際には型取りして患者さん専用の模型を作って作成していきます。完成までには1週間から10日ほどの期間がかかります。
ナイトガードにはソフトタイプとハードタイプがありますが、ソフトタイプではブラキシズムによって穴が開いてしまったり、噛み合わせる力に負けてしまうことが多いので当医院では、ハードタイプで作ることを基本としています。
患者さんの噛み合わせに合わせたオリジナルのものを作っていきます。
気をつけて欲しいのが、よく市販で売られている自分でマウスピースを作るキットなどがありますが、間違った噛み合わせで作ってしまうこともあるため、顎に負担がかかりやすくなります。
ナイトガードを始め、マウスピースを作成する際には必ず歯科医院で作成するようにしましょう。
まとめ
今回はナイトガードについてお話ししました。ナイトガードは歯ぎしりや食いしばりなどのブラキシズムから歯を守る役目をしています。ナイトガードにはハードタイプの素材が使われ、厚めのマウスピースを夜寝る際に装着していきます。
池袋同仁歯科では、顎関節症に精通した歯科医師が患者さんの噛み合わせを考慮したナイトガードを制作していきますので、マウスピース作成を考えている方はぜひ一度ご相談ください。
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