執筆:歯科医師 河合良治
歯を失ってしまった部分に、人工の土台を骨に埋め込み被せ物をするインプラント治療ですが、インプラント治療で最終的に入る被せ物にはどんな材料が使われているのか?気になることが多いのではないでしょうか?
今回はインプラントの被せ物にフォーカスして詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
インプラントの被せ物ってどの部分
まずインプラントの被せ物について説明する前にインプラントの構造について知っておきましょう。インプラントは基本的に3つのパーツに分かれています。
顎の骨に埋め込む土台部分の「インプラント体」、インプラント体と被せ物を繋げる「アバットメント」(土台)そして、最終的に歯の部分になる「上部構造」(クラウン、冠)です。
私たちが被せ物と呼んでいる部分は「上部構造」のことで、インプラント治療でも最終段階で入るものになります。
参考:テーマパーク8020
インプラント治療の流れは次の項目で詳しくお話しします。
インプラントの被せ物が入るまでの過程
インプラントの治療方法には、「一回法」と「2回法」があり、歯科医院でよく採用されているのは「2回法」です。
2回法は、まず顎の骨にインプラント体を埋め込む外科処置を行います(1回目のオペ)、その後数ヶ月待ちインプラント体が顎の骨と結合したのを確認してから、歯ぐきを切開しインプラント体にアバットメントをつけるオペを行います(2回目のオペ)
その後歯ぐきの状態がよくなってから、最終的な被せ物(上部構造)を制作する過程に入っていきます。
人によって治療期間は大きく異なりますが、最終的な被せ物が入るまで上顎で半年から1年ほど、下顎で3ヶ月から半年ほどの治療期間がかかってきます。
関連記事:インプラント治療にかかる期間はどれぐらい?オペから歯が入るまで
インプラントの被せ物に使われる材料
インプラント治療は自費治療になるため、被せ物になる部分にも自費の材料が使われます。よく使われる材料としてはm天然の歯に近い白い材料である「セラミック」や「ジルコニア」、もしくは金属などが使われてます。
以下でインプラントの被せ物によく使われる材料をいくつかご紹介していきます。
セラミック
陶器の素材でできたもので、審美性が一番高く透明感のある美しさがメリットです。表面が滑らかで歯垢(プラーク)などの汚れがつきにくく、劣化しにくいといったメリットがあります。
ただし、強度的には他の材料に比べて劣るため咬合圧の強い方や奥歯には向かないことがあります。
ジルコニア
人工ダイヤモンドと呼ばれる歯科材料の中でもトップの硬度を誇る材料です。割れにくく咬合圧の強い方でも使うことができます。白い材料なので審美性と耐久性のバランスがいいですが、セラミックほどの透明感はありません。
メタルボンド
内側が金属、目に付く部分には白い材料を使うことで耐久性と審美性を兼ね備えた材料になります。
ただし、金属が見える部分もありますのでセラミックやジルコニアに比べて審美性はそこまで高くありません。また金属アレルギーの方には向いていません。
他にも、ハイブリッドセラミックやゴールドなどさまざまな材料があります。当院ではインプラント治療を行う前に患者さんのお口にあう材料をご提案させていただきますので、ご安心ください。
金属冠
見栄え的には上記のものには劣りますが、一番歴史があり安定度があります。よく金属アレルギーをされる方がおられますが、銀の含有量が少なく金の含有量が多い高品質な金属であれば問題ありません。
参考:日本審美歯科協会
まとめ
今回はインプラントの被せ物についてお話ししました。インプラントの被せものが入るまでは平均的に、半年から1年ほどの期間がかかってきます。
そして、インプラント治療は自費になるため被せ物も自費の材料になります。セラミックやジルコニアなど白い材料からゴールドやメタルボンドなど金属を使った材料など豊富な種類から選ぶことができますので、担当の歯科医師と相談してご自身に合ったものを選びましょう。当院では質の高いインプラント治療をご提供しております。
経験豊富な歯科医師が担当しますので、インプラント治療をお考えの方はご相談だけでも一度いらしてください。
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