執筆:歯科医師 河合良治
インプラント治療に興味があるけど、費用はどのぐらい?と気になる方は多いのではないでしょうか。
インプラントは保険が適用されないので高額というイメージを持たれる方が多いでしょう。
できるだけ安い治療費で済ませたいけど、安いインプラントは危険?と疑問に思っている方にも、今回この記事でインプラント治療の相場について説明していきたいと思います。
インプラント治療の相場
インプラント治療の価格は歯科医院によって様々ですが、あらゆる歯科医院のインプラント価格を参考にした結果一本30~50万ぐらいが相場といえます。
30~50万と幅が広い理由は治療方法や手術の難易度・補助手術などが必要かで変わってくるケースが多いためです。
また、中には十数万~と安いインプラントもありますが、それはインプラント製造メーカーによって元々のコストが違い料金が変わり、さらに被せる歯の種類や必要なパーツの数が少なかったりと変わってくるのです。
インプラント治療の詳細をみる>>>創業70年池袋同仁歯科クリニック|インプラント治療
【参考情報】東京医科歯科大学歯学部附属病院|インプラント治療費について
インプラントメーカーによって料金が変わるケース
インプラントを製造するメーカーによって料金が大幅に変わってきます。
インプラントには海外メーカーと国内メーカーがありますが、中でも世界中から信頼度が高く、実績のある欧米のメーカーでは30~50万ぐらいが通常といわれています。
日本製や韓国製などはまだ歴史も浅く信頼度が低いため、安い傾向にあります。メーカーが無くなったということも珍しくありません。こうなるとリカバリーが大変です。
また国に認可されていないメーカーで格安にされる先生もいらっしゃいますが、いざという時に国は全く関与してくれませんし完全自己責任ですので、注意が必要でしょう。
インプラント手術の難易度・補助手術が必要なケース
インプラントを埋入する際に足りない骨や、歯肉などを増やす処置が必要なケースがあります。
その治療方法には骨を再生させる骨誘導再生法(GBR法)や、歯肉などの歯周組織を再生させる歯周組織再生誘導法(GTR)などの再生・移植治療などがあります。
こちらに紹介した治療方法以外にも骨や歯周組織の再生・移植方法は様々にあります。
骨などを増やす処置をした場合は高額になるケースが多いわけです。
インプラントとブリッジ治療の違いをみる>>>インプラントとブリッジ治療のメリットデメリット
インプラント治療方法で料金が変わるケース
インプラントの治療方法には1回法と2回法があります。
1回法と2回法は手術を1回で終わらせるか、2回で分けるかということなのですが、料金にも差がでてきます。
簡潔に説明すると、1回法は一度で骨に埋め込む手術が終わるため、患者さんの負担が少なく治療期間も短く終わることが可能です。
しかし、骨に埋め込んだフィクスチャー(歯で言うと根の部分)が骨や歯周組織と結合するまでに、時間がかかるためその間に感染を起こしやすく、少々インプラント脱落の恐れがあります。
また骨などを増やす補助手術と併用することが難しく、骨が十分に残っていないと1回法では行えません。
2回法は一度フィクスチャーを骨に埋め込み、歯肉で蓋をして6週間~6ヶ月ほど待ちます。
その後、歯肉と骨(フィクスチャーの天蓋部分)を切開してアバットメントで蓋をするという形です。
6週~6ヶ月間待つことで、しっかりと結合させることができ、感染のリスクを減らすことができます。
骨などを増やす補助手術と併用して行うことができるため、2回法はどのケースにも対応ができることがメリットといえます。手術が二回に分けられるため、一回法よりは期間や料金がかかりやすいです。
インプラント治療の期間についてはこちら>>>創業70年池袋同仁歯科クリニック|インプラントの治療期間
補綴・上物で料金が変わるケース
インプラント埋入後は歯となる部分、上物である人工歯を作製、装着していきます。
上物代金は医院や構造によって異なりますが、およそ7万~16万ほどです。
料金の違いはパーツの種類、既製品、オーダーメード、上物の素材によって異なります。通常の歯には無いアバットメント(土台)いうパーツを既製品で作るか、オーダーするかで料金はかなり変わります。
そのうえに被せる、金属を使用した冠やセラミックを使用した冠がありますが、審美性を気にする場合には、セラミックなどの白い上物を希望される方が多く、その中でも審美や機能に優れているオールセラミッククラウンは約10万~です。
また、人工歯ではなく入れ歯を装着するインプラント義歯の場合はそれ以上に高額になります。
セラミックの歯は欠けやすいので設計がとても大切です。
セラミックの種類についてはこちら>>>創業70年池袋同仁歯科クリニック|美容歯科
医療費控除
インプラント治療は医療費控除の対象となりますので、税理士や最寄りの税務署にご相談ください。
まとめ
インプラントは手術内容、使用メーカー、クリニックによって価格が大幅に変わります。インプラントは失った歯を手に入れられる画期的な方法ですので、安い高いより自分にあったものを選択されるといいと思います。価格が安すぎるものは、歯科業界人が決して自分の口には入れないものもあり、それなりにデメリットもあります。
安心な治療を受けるためには、大体のインプラント治療相場を理解しておくといいでしょう。