歯を失ってしまった場合の治療の選択肢として、入れ歯やブリッジ、インプラントがあります。
取り外しして洗浄する必要がある入れ歯に比べて、ご自身の歯のように使えるため両隣の歯が健康な場合はブリッジを選択される方も多いです。
そんなブリッジ治療ですが、治療後に歯が痛いなどのトラブルを訴える方がいます。(当医院ではほとんどありません。)今回はブリッジをした後に歯が痛くなる原因やその場合の対処法についてお話ししていきます。
ブリッジ治療とは
まずはブリッジ治療がどんなものなのか理解しておきましょう。
歯の欠損(少数)に対して、残っている歯を柱(支台歯)として橋渡しの様に連結した被せ物(ブリッジ)を被せ、形態・機能・審美性を回復する補綴治療です。
ブリッジは支台装置、ポンティック、連結部より構成されており、ブリッジ治療が適応になるには、失った歯の両隣の歯が使えることが条件になります。
入れ歯と違い、被せ物をセメントで装着し固定してしまうため、取り外すことなくご自身の歯のように使っていただける点がメリットです。
ブリッジには保険診療のものと自費診療で作製できるものがあります。
保険診療の場合は、前歯部分であれば金属の被せ物に表面を白い樹脂でコーティングしたもの、奥歯部分には金属の材料が使われます。
自費診療のものではセラミックやジルコニア、ゴールドなど様々な材料から選択することが可能です。
ブリッジの治療方法
ここではブリッジが入るまでの治療方法についてご説明します。一般的な流れとしては以下の通りです。
①欠損歯の両隣の歯を削り、土台を作る(神経をとる処置をすることもある)
②ブリッジを作製するための型取りを行う
③場合によっては仮歯を作製する(前歯のブリッジの場合は仮歯は必ず作ります)
④技工所でブリッジの作製(1週間〜10日ほど)
⑤完成したブリッジを調整してセメントで装着(仮着することもある)
ブリッジ治療で歯が痛くなる原因
ここではブリッジ治療で歯が痛くなる原因についてお話ししていきます。
ブリッジに問題がある
ブリッジが適切な形態でない場合や、長期間の使用によって劣化し形態が変わってしまった場合など使用を続けることによって噛み合わせの負担が変わり、歯の負担で痛みを感じることがあります。
この場合はそのまま放置しても治ることはなく、痛みが悪化したり、他の歯に負担がかかりダメになってしまう原因にもなりますので、早めの治療が必要になります。
ブリッジを支える歯(支台歯)に問題がある
ブリッジ治療で痛みを感じるケースで、被せ物(ブリッジ)には問題がないがブリッジを支える支台歯に問題がある場合があります。
その理由としては、
1、ブリッジ治療にあたり歯を削ることで歯に熱が伝わり神経が炎症を起こすことによります。これは削る時の熱発生を抑えることでかなり抑制できます。
2、またもともと土台になる歯が歯周病などで負担に耐えられないような場合は痛みを感じることがあります。
どうような噛み合わせの負担で、たくさんの歯を少ない歯で支える場合も起こりやすいです。
3、またブリッジを装着すると連結部分の下などは清掃が難しくプラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。歯周病の炎症が起こるとリスクが高くなり、痛みの原因となってしまいます。
ブリッジを装着直後
ブリッジを装着した直後は多少の痛みを感じる方がいます。これはブリッジが入ることで少し噛み合わせが変わることで起こります。
しかし、ほとんどの場合は数時間もすると慣れて痛みを感じなくなります。
反対に、痛みが収まらず悪化しているという場合はブリッジが合っていないため、調整や再治療が必要になりますので、我慢せずに主治医に相談しましょう。
ブリッジ装着後に痛みを感じたら
ブリッジを装着後に痛みを感じた場合、最も重要な対処法は「歯科医院を早めに受診すること」です。ブリッジの痛みはご自身ではどうすることもできない場合が多いからです。
しかし、歯科医院が休みでやっていないという場合などは、ブリッジが入っている歯でものを噛まないようにし、なるべく早く受診するようによしましょう。
また痛みが強い場合は痛み止めを飲んでいただいても結構です。
血流がよくなることで痛みが悪化する場合もありますので、激しい運動や飲酒、お風呂などは避け安静にしていましょう。
まとめ
今回はブリッジ治療での歯の痛みついてお話ししました。ブリッジで歯が痛くなる主な原因としてはブリッジに問題がある場合、ブリッジを支える支台歯に問題がある場合、そしてブリッジを入れた直後などです。
特にブリッジを支える支台歯が、虫歯や歯周病などのリスクが高くなっている場合は、痛みに繋がりやすいです。ご自身でのセルフケアを徹底し、定期的な歯科健診でブリッジのメンテナンスを行うことで痛みを予防することができます。
当院でもブリッジ治療についてのご相談やブリッジを入れた歯が痛いなどの治療を行っています。どんなお悩みでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
こちらの記事もおすすめ:ブリッジ治療で白い歯にすることは可能?費用や治療にかかる期間